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誹謗中傷が盛り上がるなかで、徐々に鬼女クラスター(集合体)が成立

数年前からネット上で激しい個人攻撃や個人情報の暴露を繰り返し、その凄まじい攻撃力で恐れられているのが、“ネット自警団”の一角を占める「鬼女」と呼ばれる集団だ。事情に詳しい人気ブロガー・山本一郎氏が論じる。

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滋賀県大津市で起きたいじめ自殺事件は、ワイドショーや週刊誌で派手に報じられたが、ネット上ではそれを上回る過剰反応が起きた。

「(事件当時)加害生徒の母親は学校のPTA会長だった」といった情報が駆け巡り、加害生徒やその関係者の実名や素性の暴露合戦が起こった。それがエスカレートして、関係者と間違えて事件とは無関係な人々の個人情報を晒して誹謗中傷するという“誤爆”が繰り返されたのだ。

そうしたデマにデヴィ夫人が釣られ、自分のブログで別人の写真と名前を公開して「とんでもないのが母親」と非難したため、炎上。間違えられた女性から損害賠償を求められ、提訴される事態に発展した。
こうした行為で知られているのが「鬼女」だ。主に主婦を対象とした2ちゃんねるの「既婚女性板」に集まり、ワイドショーのネタなどをテーマとしたスレッドで誹謗中傷や罵倒を繰り返す人々である。

例えば、「【河本梶原】吉本生活保護芸人もろとけばいいんや」「【乞食】渡辺美奈代【無職旦那と義援金詐欺】」「【卵子購入】野田聖子51歳【躾まで看護師任せ】」といったスレッドを立て、名前を挙げた人物を容赦なく叩く。その書き込み内容の激しさから「既女」が転じて「鬼女」と呼ばれるようになった。

存在が広く知られるようになったのは、2008年にタレントの泰葉がブログで元夫の春風亭小朝を「金髪豚野郎」と罵倒したことに対して起こった泰葉バッシングがきっかけだった。その後、皇太子妃雅子様に対する誹謗中傷が盛り上がるなかで、徐々に鬼女クラスター(集合体)が成立した。

鬼女の特質を表わす例として象徴的なのが、レイザーラモンHGの妻で元グラドルの住谷杏奈に対するバッシングだ。

5年近く前に「市販のロールパンを手作りだと偽ってブログに載せた」という、どうでもいい疑惑を発端にして“祭り”が始まり、過去の出演番組やブログ上での稚拙な発言をあげつらい、罵詈雑言の嵐が吹き荒れた。2009年の最盛期には、80もの住谷関連スレッドが立ったほどである。

しかし、どれもこれもそこまで罵倒されなければならないような過ちではなく、住谷本人もいたって普通の女性のように思えるのだが、鬼女たちの“正義感”に火をつける何かがあるようだ。そのため、いまだに関連スレッドが立ち、バッシングが続いている。この執拗さが鬼女ならではだ。

ネット上では「鬼女は“祭り”が始まるとネットに常駐するため、大量にカレーを作り、数日間夫や子供に食べさせる」という話が広く流通している。真偽不明だが、それほど鬼女は執念深いことを物語るエピソードである。

(NEWSポストセブンより抜粋)